子どもが小さなときは、親子で過ごす時間も多く、コミュニケーションを自然にとれますよね。
しかし、子どもが成長するにつれ、親子関係は変化します。その過程で、会話が少なくなるのは避けたいと考えている方もいるかもしれません。
親子のコミュニケーションは、家の間取りも影響していると考えられています。
子どもとの会話が増える間取りとは、どのようなものなのでしょうか。

コミュニケーションをとるには、親子が自然に顔を合わせる機会を増やすことです。
家族団らんの場であるリビングやダイニングが、子どもにとって居心地のいい空間にすると良いといわれています。
これは、同じ空間にいる時間が長くなると、会話が自然に生まれやすくなるからです。

子どもが成長すると、家族の過ごし方も変化するものですね。
変化に合わせて、家具の配置や物の置き場を変えるなど、家族が適度な距離感で心地良く過ごせる空間づくりをしていきましょう。
また、子どもとの会話が少なくなった時期でも、お互いの気配を感じとれる場所が大切だといわれています。

間取りによっては、帰宅後に家族と顔を合わさずに個室へ行けることもありますよね。
顔を合わす時間が少なくなると、コミュニケーションも取りづらくなります。このケースを避けたいなら、帰宅後はリビングを必ず経由できる間取りを考慮したいものです。

戸建ての場合、子ども部屋を2階に配置する家庭も多いのではないでしょうか。2階へ続く階段を、リビング階段にする間取りも増えています。
子ども部屋へ行く前に必ずリビングを通ることで、家族で一緒に過ごす時間が少なくなった時期でも、子どもの様子をうかがうことができるでしょう。

リビング階段はメリットがある反面、子どもの友達が遊びに来たときなどに、リビングを整えたり、部屋着で過ごすことができなかったりするのが気になる方もいるかもしれません。

リビング階段のほかに、洗面所やお風呂の入り口がリビングやダイニングに通じていると、顔を合わせる機会が多くなります。
また、リビングを通らない間取りの場合でも、リビングに子どもの荷物を置くスペースなどを作ると、リビングを経由するようになるでしょう。

子どもが成長するにつれて、プライバシーを尊重することも重要になります。
しかし、広くて快適な子ども部屋をつくると、個室にこもってしまう可能性もあります。子ども部屋は着替えや勉強、寝るだけの場所として、あえて狭い部屋にすることも一つの手です。

小さな部屋を用意すると、子どもが巣立ったあとに使いにくいと思うことがあるかもしれません。
例えば、9畳ほどのスペースを子どもの成長に合わせて、パーテーションや背の高い本棚で2つに仕切れるような間取りもあります。
ライフステージの変化に合わせ、間取りの変更をしていくのもおすすめです。

間取りを壁で仕切らず、開放的にすることによって、同じ部屋にいなくてもコミュニケーションが生まれやすくなります。
戸建ての場合、リビングやダイニングを吹き抜けにするなども選択肢の一つです。2階の廊下がリビングの吹き抜けに通じていれば、家族の気配を感じますし、1階から2階にいる子どもに呼びかけることも可能になります。

子どもが成長すると、部活や塾で忙しく、家族で食事ができない日も増えてくる傾向があります。
家のどの場所にいても家族の気配を感じる間取りや、居心地の良い、適度な距離感を保って過ごせる空間づくりを考慮したいものです。

ライフスタイルが多様化し、心地良い間取りは家庭によってさまざまだと思います。
コミュニケーションを増やすには、家族が過ごしやすい間取りを意識することがポイントです。