暖かいリビングからトイレに行こうと部屋を出たとたん、寒くて震えてしまう、なんて経験はありませんか？
そんな屋内の温度差による不快感を解決してくれるのが「全館空調」です。
しかし全館空調は電気代が高額になるのでは？ 本当に快適に過ごせるの？ という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、全館空調とはどんなシステムなのか、電気代やメリット・デメリットなど、気になる点をご紹介します。

全館空調とは、その名の通り家全体の空調を一括で行うシステムです。
具体的には天井裏や床下に空調機器を備え付け、24時間冷暖房を使って室内の温度を調整し、換気を行います。天井や壁に配管を配置して、天井裏の大きな空調機器から季節に合わせた適切な温度の空気をすべての部屋に送ることで、家の中の温度や湿度を快適に保つことができるのです。

全館空調は大型の機械を天井裏などに設置し、天井や壁などに配管を配置するという仕組みなので、家屋を新築する際に導入される場合がほとんどです。マンションにも全館空調が備え付けられている物件がありますが、後付けする場合はマンションでも戸建てでも、大規模なリフォームが必要となるので一般的ではありません。

全館空調の大きなメリットは、各部屋の温度差がないことです。
部屋ごとにエアコンを設置して空調する場合、冬季に部屋からトイレに行こうとして廊下に出ると、寒さに震えてしまうことはありませんか？

ルームエアコンで空調を行う場合、どうしても家の中に温度差が生じてしまいます。
この温度差は不快なだけでなく、健康を害する恐れもあります。特に冬は居室とバスルームやトイレの温度差が20度近くになることがあります。
この急激な温度差によって起こるのが、血圧が急上昇して心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす「ヒートショック」です。統計によると、ヒートショックに関連した入浴中の死者数は年間17,000人と推計されており、室内の温度を一定に保つことが健康のためにとても大切なことがわかります。※１

子育て中のママにとっても、家じゅうの温度が一定なのは嬉しいことです。
赤ちゃんをお風呂に入れた時、廊下や脱衣所が温められていると湯冷めの心配が少なくなるからです。
また、全館空調では高性能フィルターを通して外気の花粉やPM2.5などの有害物質が除去され、きれいな空気が供給されるので子どもにも安心です。

さらにはエアコンを各部屋に設置しなくて良いため、インテリアの自由度も高まります。
吹き抜けがある住宅は寒さや暑さが気になることもありますが、全館空調で家じゅうの温度を一定に保てば快適に過ごせるというメリットもあります。

全館空調のデメリットは、初期投資とメンテナンスに費用が掛かってしまう点です。
全館空調の機械は大型で特殊なものですので、各部屋のエアコン設置費用よりも高くなります。
壁の中や天井などに配管を設置するための工事費用も必要ですし、設置後はフィルター交換や点検などのメンテナンスにも費用が掛かります。
ただし、全室にエアコンを設置し、メンテナンスを行う費用と比べると、多少高額になるという程度です。

その反面、電気代は企業努力でかなり下がっており、家の広さや立地条件によって変わるものの、全館空調に掛かる電気代は年間10万円以下で済む場合もあります。

初期投資やメンテナンス費用はかかりますが、全館空調は家全体の温度と湿度を快適にし、空気をきれいにしてくれるなどのメリットもあります。
子育て中のママも、お年を召した方も快適に、そして健康に過ごせるというのは魅力的です。
自宅で快適な時間を過ごすための方法として、これから土地を購入してマイホームを建てる方は全館空調を検討してみてはいかがでしょうか。

（参考）
※１　「カルピス」由来　健康情報室
https://calpis-kenko.jp/nenreipepuchido/kekkan-sinayaka03/?cid=SY006&utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=mt_ge&yclid=YSS.1000026579.EAIaIQobChMI5NGplIWK6QIVChdgCh3NwA1cEAAYASAAEgIbBPD_BwE